千穐楽

今日は「びわ湖ホール オペラへの招待『魔笛』」の千穐楽でした。私はこの本番4日間、契約書類等を別室に籠ってずっと作成していて、時折事務所に戻った際にエアモニから流れてくる皆様の奏でる音楽を耳にして、素敵な時間が流れていると感じていました。

今日の千穐楽、最後の音切れを得てお客様の拍手が起きた時、手を止めて楽屋廊下のモニターでカーテンコールの風景を見ていました。お客様の温かい拍手は素敵な舞台へのブラブォーです。飛沫感染を防ぐために歓声の代わりに惜しみない拍手を観客の皆さまが下さいました。何だか涙がこみ上げてきてしまいました。嬉しくて。劇場はお客様に集って公演を観て戴く場です。私共びわ湖ホールの様に、この場でお稽古をして作品を作りあげる自主制作をする劇場にとっては、自主制作公演が一番ハレの場です。しかも、オペラは準備時間も人数もお金もかかる、制作規模が大きく大変な作品です。その本番を迎えられる日常が戻ってきた、そう実感出来る記念すべき第一歩でした。

また、お客様も生で舞台を観たいのだと、そういう温かいお心も感じました。私だって同じです。うちの『神々の黄昏』無観客上演から無の時間を越えて、昨年の夏に新国立劇場で東京二期会の『フィデリオ』を観た時はラストからカーテンコールまで涙が止まりませんでした。あの時のカーテンコールでは歌い手に応えるようにマスクを外してスタンディングオベーションをしていました。生で観られるのは本当に素敵なことです。

また、この無の時間にもどんどん子供たちは成長していきます。私のご近所さんの小学生のお孫さん達は今日オペラ観劇デビューを飾ってくださいました。脈々と佳いものは受け継がれていきます。

この時間を糧に励みに頑張り続けていきたいですね。全国で舞台と音楽の灯を温かくともし続けながら。

感謝を込めて!

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